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そもそもお菓子作りに興味を持ったきっかけは、8歳年上の姉がよく家でお菓子を作っていたことです。姉のお菓子作りを見て楽しそうだったので、やってみたいと思ったのがスタートでした。その後製菓の専門学校に進学し、家の近くに胡蝶庵松本寿店が出店したことも大きく影響しました。
専門学校を卒業後は三原商店に就職し、工房で3年間主に焼き菓子の製造など経験を積んでいきました。その後店舗で調理や和カフェ茶夢のキッチンを10年ほど担当しましたが、再度工房に配属されました。そのタイミングで「和菓子の匠育成事業」を始めるという通達があったので挙手しました。 10年も工房を離れていたためブランクが大きく不安でしたが、個人的に菓子製造のマルチプレーヤーになりたいのでこの事業に応募しました。 現在私を含めて5名で上生菓子の製造に携わっています。当初2024年春ごろ販売開始予定でしたが、商品が作れるまで成長したと判断されたため2023年末に販売開始と早まりました。この発表を聞いたとき、「商品なので失敗は許されない」という緊張から空気が張り詰めたのを覚えています。
育成事業では薯蕷(じょうよ)製上生菓子を作る技術を学んだのですが、一番の勉強になったのは先生の考え方でした。 先生が目指していることは「次の世代の仕事を残す」ことです。つまり自分だけ技術を習得できればいいや、ということではないんですね。私はこれまで菓子製造に関わってきましたが、そのようなことは正直考えたこともありませんでした。 和菓子業界にいると、個人の技術は人に教えない、良くても「見て学べ」という職人気質の人が多くいます。しかしこれでは下の世代は育たず、結果として和菓子業界の縮小に繋がっています。 しかし和菓子は何百年も前から継承されてきたものです。伝統的な和菓子を、育成事業を通して次世代へ繋いでいく大切さを先生から学びました。 これまでは「自分が1から100までやらなきゃ」と焦りのようなものがありましたが、次の世代も技術を継承すると認識を改めたことで、むしろ気持ちが軽くなりました。
今後の目標はあんこの自社製造に挑戦したいです。あんこは現在専門メーカーに委託して製造してもらっています。確かに人件費はその方が安くなりますが、自社製あんこを使用することで胡蝶庵の強みとなるような商品を作りたいです。 さらに安曇野は雪解け水が湧く名水の産地なので、その美味しい水を活かして炊くあんこは絶品です。 このような恵まれた環境を活かして、今ある商品よりももっと美味しい商品を作ろう!という気持ちで日々頑張っています。
前製造部長の退職がきっかけで菓子製造技術の継承に危機感を覚え、匠育成事業を立ち上げました。 その際、自然薯を使用した上生菓子を安曇野の原風景を映した五感の芸術として昇華することは、現在進めている安曇野や水にフォーカスしブランド価値を高めるリブランディングにも合致し、他社との差別化と共に胡蝶庵の価値である「和み」をさらに強化できると考えました。この育成事業で、研修生の皆さんの技術と和菓子に対する姿勢が変わっていき、販売する時には人として大きく成長しました。 この育成事業を通じて、今後は綿半グループ全体の人財育成へ寄与していく構想も練っています。
野原 佳代子株式会社 綿半三原商店代表取締役社長
※2024年6月1日発行「綿半レポート(2024年3月期)」に掲載
「ウチワサボテン」をご存じでしょうか。過酷な環境下でも育つウチワサボテンは、栄養価が高く食物繊維の多いスーパーフードとして、メキシコ等では古くから食用とされてきました。
2013年に昆虫食を推奨した国連食糧農業機関(FAO)が、2017年にウチワサボテンは「食卓メニューに載せるに値する」と見解を示したこともあり、近年ではウチワサボテンは、海外の大手コーヒーチェーンや菓子メーカーでも採用されています。「水いらず、手入れいらず」のウチワサボテンは、農作物が育たないような乾燥地でも、水を引く灌漑施設を必要とせずに容易に栽培できることから、食糧危機や砂漠化等の社会課題の解決が期待できる植物として、注目されています。
日本ではあまり馴染みのない植物ですが、茎の部分はオクラのように日本人が好む粘り気があり、トゲを抜いて千切りにすれば、生のまま食べられます。果実は甘い、ベリー系のような味がします。実は愛知県春日井市では、学校給食や飲食店でラーメンや餃子、サラダ等の料理に使われています。
また、食用だけではなく、赤い種子に含まれる美容効果が注目され、世界的なスキンケアブランドや、韓国コスメでウチワサボテンの成分を配合した商品が話題となり、当社でもウチワサボテンシードオイルの輸入販売を行っています。
綿半トレーディングは、医薬品・化粧品・食品の天然原料を海外から輸入し、国内メーカーへ販売する事業を展開しています。
私たちは日頃から世界中の文献を調べ、ウチワサボテンのように国内ではあまり知られていない優れた成分を探しています。特に、ヘアワックスの原料であるキャンデリラ草の仕入拠点として長年取引しているメキシコとのつながりは深く、現地で注目されている天然原料の情報を集め、国内メーカーへ紹介しています。
このウチワサボテンも、メキシコの国旗に描かれるほど関わりの深い植物であり、国を象徴する植物です。
私は、人材派遣会社で営業職を経て当社に入社しました。異業種での営業に抵抗感はありませんでしたが、当然ながら天然原料の取扱いは勝手が違います。気温・雨量等の天候によって採れる量や色味に違いが出るので、常に同じ状態・量を仕入れて提供することは難しいです。色や味、匂い等少しの変化で品質に関わる日本では、環境によって多少の影響が出るということも併せてご理解いただけるよう、日々努めています。
ウチワサボテンを扱い始めてから4年ほどが経ち、ようやく国内でも飲むヨーグルトやアイスクリームのほか、昨今トレンドのクラフトビールにも採用されました。ウチワサボテンの赤い果実から抽出された綺麗な赤色がカギとなり、泡までうっすら色づいたビールは特に女性の方にも好評です。すっきりとした味わいに仕上がり、ビール特有の苦みが苦手という方にも受け入れられています。
このように、着実に認知度を上げ、提案したものが実際に製品化されたときの喜びは格別です。しかし、それが本当のスタート地点でもあります。メキシコ特産のアボカドも昔はマイナーに思われていましたが、今では食卓に浸透しているように、ウチワサボテンも日本で一般的に食べられるように広めていきたいです。
私たちの強みは、グループ内に食品スーパー・スーパーセンター等の店舗という出口があることです。また、店舗には店内の食材を使ってシェフが調理する「グローサラント」があり、料理としてお客さまに知っていただくこともできると考えています。外部のメーカーへ提供して新製品として世に出し知名度を上げつつ、グループ内では店舗で身近に感じていただける食品として提案をする、これは私たちグループだからこそできることです。
当社のコンセプトは「ニッチな市場でシェアを大きくとる」です。誰もが知る食品を綿半グループから生み出す―――これが、私の使命です。
※2022年11月18日発行「綿半レポート(2023年3月期中間)」に掲載
綿半パートナーズ株式会社は、2017年に設立された綿半グループの共同仕入会社です。グループの成長に伴い、ホームセンター商材や生鮮食品等のスーパーセンター商材に加えて、家具、住宅資材、医薬品など幅広い商品を扱うようになり、取扱商品数は現在15万アイテムに上ります。さらに、営業開発やメディアCMの作成、グループ全体のシステム経理や総務など管理業務を行うバックオフィスという役割も担っているため、設立時3名だった社員は300名近くまで増加しています。また、グループ各社に所属していた商品開発やデザイン担当を当社に集結したことで、食品、日用品、家電など幅広い商品の開発スピードが加速しています。
入社後、家具、ホームセンター、スーパーセンターと、グループの成長に伴い様々な業態で、部門担当や店長・バイヤー、商品部部長と経験を積んできました。そのなかでも印象に残っているのは、カー用品のバイヤーを務めた後に「鮮魚」のバイヤーに指名された時です。(笑)鮮魚バイヤーになった時、綿半グループにはまだ仕入ルートが少なかったため、そのチャンスを探して魚市場に通い始めました。全くの新参者ですから市場の人から相手にされないのは当たり前。それでも毎朝5時に通い、「お客さまに美味しい魚を届けたい」という想いを伝え続けた結果、2カ月が過ぎた頃、ようやく賛同してくださる方々が増えてきたのです。
バイヤーにとって最も大切なのは、「想像を楽しむ」ことです。まだ世に知られていない素晴らしい商品はたくさんあり、取引先や生産者を巻き込みながら一緒に知恵を絞れば、その商品を最高の鮮度で店頭に並べられる新しい「流通経路」も、きっと見つけることができ、さらに商売の可能性は広がるはずです。より良い取引先やメーカー、工場の情報をお互いに出し合いながら、いい商品、流通経路を模索し、「品質を上げつつ、低価格で提供」できるオリジナル商品の実現のため、全国を飛び回っている当社のバイヤーたちをとても頼もしく感じています。
綿半グループのオリジナル商品は、誰にこの商品を届けるのか、どのようなニーズや価値があるのかなどを表にまとめる独自の方法で設計図を描き、社内プレゼンを経て、早いものであれば半年程度、長いものだと1-2年かけて出来上がります。しかし、売れなければ数カ月で店頭から消えてしまうのは、他メーカーの商品と同じです。現在、このオリジナル商品の割合は、全商品の中で10%にも届いていませんが、早いうちに50%程度まで高め、その先はメーカーとしてオリジナル商品だけの店舗を作ることも視野に入れています。
当社の製品を安心してお使いいただけるよう「保証」を拡充していきます。例えば、家電購入時の「品質保証」だけでなく、安心して使い続けられる「延長保証」などもそのひとつです。当社商品はまず自分たちが使う、もしくは食べてみて納得できるものだけを提供しています。また、お客さまから「綿半ブランドを買ってよかった」という声をいただけるよう、ネジ1本も壊れにくいものを選び、作りあげた商品です。だからこそできる「保証」であり、お客さまからより信頼される施策だと考えています。足元では、海外情勢などの変化により、原材料価格や運搬コストが急上昇しています。その事業環境の中でも良い商品を提供するのが小売業の宿命であり、企業努力の賜物です。難しい環境下で何ができるのかを考え、実行できることも小売業の面白さだと私は思っています。
綿半グループは420年以上にわたり、地域社会を守り、ともに発展してきました。しかし、日本全国を見れば、魅力的な商品がたくさんあるにも関わらず、昔からのルールや仕組みに縛られ、埋もれているものも多くあります。ホームセンターやスーパーセンター、家電、家具、住宅など幅広い分野で事業を展開し、店舗やインターネット通販という出口を持つ我々と地域が協力すれば、新しい価値を生み出すこともできるはずです。それは、競合他社とともに生産者を盛上げ、地場の方々も豊かになるような仕組みでなければなりません。今年度からは、生産者と販売先を繋ぎ、我々が流通経路を提供するといった事業を始める年になるとも考えています。また、CO2削減など環境対策にもさらに取組む一年です。商品パッケージや物流コストの見直しに加えて、売場の販促方法や食品ロスの削減にも取組みます。さらに、家電や建築の際に出る端材などを再利用する仕組みを構築します。どれだけ物を循環できるか、そのものの寿命を全うさせることも、我々の責任だと考えています。
※「第74回定時株主総会招集ご通知」に掲載
もともと調理師だった私が「魚」の魅力にはまったのは、鮮魚専門店に転職したときでした。お客さまと会話をしながら目の前で魚をさばき、喜んでもらえたことや、ご希望に徐々に応えられるようになった自分の成長も嬉しくて、さまざまな形で魚に携わって30年。今は、これらの経験を活かしながら、綿半グループで鮮魚の仕入れを担当しています。 今や鮮魚の仕入れもシステマチックになり、オーダーを入れれば何でも仕入れられるようになりました。しかし、より新鮮なものを仕入れるためには、やはり市場が一番。私も週に3回は沼津港の市場に足を運んでいます。 朝4時半、市場に到着すると、すでに活きのいい魚がずらりと並んでいて、その中からより鮮度が高いものを選んで競りに入ります。曜日や天候によって魚種や漁獲量が異なるうえ、買い手の顔ぶれによって価格も変動するため、限られた時間で相場を予測し、購入する魚種や量を瞬時に決めることが求められます。
市場は、限られたプロが集う特別な場所です。そこで認めてもらい信頼してもらうには2、3年はかかりました。分からないことはためらわずさまざまな人に聞き、同時に店舗のスタッフとも売場での魅せ方や販売方法等を共有し、店舗側の受け入れ態勢を整えていきました。新しい取組を始めるときに直面する、このバイヤーならではの苦労を乗り越えられたのは、「絶対に成功させてやるぞ」という意地のようなものだったようにも思います。 また、活魚を新鮮なうちにお店に運ぶルートづくりにも苦労しました。鮮度を保ったまま、かつなるべくコストをかけずに効率的に運ぶため、綿半グループの力を最大限に活かしています。今では、仕入れた1時間後には最初の店舗に届くようになりました。沼津港から運ばれた活魚は、はるばる山梨県の3店舗の店頭に並んでいます。
珍しい魚を見つけたお客さまから「どうやって食べるの?」「こんな魚、他では置いていないね」という声を聞くと、バイヤーとしてのやりがいを強く感じます。また、いけすで泳ぐ魚を見て喜んでいる子どもたちの姿を見たときも同様です。「小さな水族館」目当てにお子さま発信でご家族が来店するきっかけにもなるので、「ネコザメ」などの見た目が可愛らしい魚をあえて観賞用に入れることもあります。 ただ、これだけ長く魚と付き合っていても、知らない魚はまだ多く、日々勉強です。珍しい魚を仕入れたときは、スタッフたちに魚の写真と扱い方を発信し、お客さまに喜んでいただける情報を共有しています。さらに、美味しい魚を新鮮なうちに調理してお客さまに提供できるよう、調理スタッフとのコミュニケーションも大切にしています。 山間部ではアニサキスの問題もあり、スーパーでの鮮魚の取扱いは年々縮小傾向にあるなか、市場での直接仕入れは、お客さまに「美味しい」と「安心」を届けるために鮮度を追求した綿半独自の取組です。 これからも、徹底的に鮮度にこだわった「いいもの」を確実にお客さまに届けるために、たゆまず努力し続けていきたいと思います。
※2021年11月18日発行「綿半レポート(2022年3月期中間)」に掲載
綿半スーパーセンターでは、現在、鮮度にこだわった旬の食材を使ってシェフが腕を振るう「グローサラント」を積極的に展開しています。店頭には、その日一番の食材を使ってシェフが調理したフレンチ、イタリアン、中華や和食のお料理が並びます。 私は、横浜のホテルで調理の基礎を学んだのち、地元長野に戻り、イタリアンレストランやダイニング、居酒屋、ハウスウエディングなどで料理を提供してきました。 綿半に入社したのは、2020年9月。それまで勤めていたブライダル会社がコロナ禍の影響を受け、結婚式のキャンセルや延期が相次ぎ、会社自体も休業状態となりました。ただただ、料理がしたいという想いが強まっていたとき、「綿半がグローサラントを進めている」という話を耳にしました。綿半は地域密着の企業であり、スーパーセンターに行けばいい商品が揃う、私にとっても身近な存在でした。そこで思う存分、腕を振るうことができたら…と、頭の中で夢が広がりました。
料理人という仕事の魅力は、お客さまの「美味しい」の一言に限ります。さらに、鮮度にこだわった食材で調理できれば、まさに料理人冥利に尽きます。このお店にも、毎日鮮度の高い食材が集まります。 特に、鮮魚はその日にとれた最も旬な魚が届けられるため、店舗内のいけすには、普通のスーパーでは見かけない魚が泳いでいることも珍しくありません。そんな食材を私たちがお客さまのご希望に合わせて調理することができれば、間違いなく綿半の魅力になってくれるはずです。 私が手作りした林檎のドレッシングを召し上がったお客さまから、「すごく美味しかったから、また作って!」という温かいお声を頂戴したことも、大変励みになっています。
初めは小売店舗で働いた経験もなく、料理の盛り付けや見せ方の違いなどに戸惑いを感じたこともありました。しかし今では、よりクオリティの高いものを目指し、パックの質やデザインを変えてみるなど、様々な工夫を凝らすことにも取組んでいます。味はもちろんとして、見た目にも美味しい「料理」をお出ししているという自信を持っています。 綿半での新しいチャレンジはまだ始まったばかりです。いま、綿半には腕の立つシェフが7名います。それぞれ店舗に配属されていますが、常に情報を共有し合い、メニューづくりでもそれぞれの得意分野から案を出し合って進めています。そうやって生み出したサラダやお弁当など20品ほどのお料理が、毎日店頭に並びます。まずは、私たち自慢の料理を食べてみて欲しいと思います。きっと、食の楽しみを感じていただけるはずです。 これからも、お客さまの目の前でご希望の料理を作り喜んでいただくことで、私たちの目標である、食を楽しめる新しい形態の店舗のオープンに向かって、綿半のファンを増やしていきたいと思っています。
※2021年7月12日発行「綿半レポート(2021年3月期)」に掲載
【佐藤】当社製薬研究所では、医薬品原薬の製造と、輸入した原薬や化成品原料の品質試験を業務としており、当社取扱商品の有効性や安全性を担保しています。医薬品原薬としては、不妊治療において卵胞を成長させるホルモン剤の原料である、ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン(HMG)・精製下垂体性性腺刺激ホルモン(FSH)、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)を製造しています。HMGとFSHは閉経期の婦人尿を原料とするため、人口が多く、管理ができる環境が整っていることが必要です。また、自然由来の原料のため高温による劣化が早いことから、適した気候である中国で集尿し、濃縮、溶媒抽出した粉末を輸入しています。また、成長した卵胞の排卵を誘発させるホルモン原料であるHCGは、妊婦尿から抽出するため、これも中国から輸入しています。
【南】尿を提供してくださるドナーは、中国の企業を通じて募集し、健康状態をしっかり管理した上で、毎年、契約更新しています。そのドナーから毎日尿を回収し、各集尿ステーションで1日あたり約30トンの尿を吸着剤に吸着させて濃縮したものを、中国の工場でアルコールを使って溶媒抽出してさらに濃縮します。1カ月分の原料も、当社に届くときにはわずか1kg程度の粉末になっているという、希少なものといえます。
【佐藤】さらに製薬研究所において、出発原料から7,000万~50,000万分の1の量まで精製を行い、純度の高い原薬を製造しています。中国の工場に加えて、国内の製薬研究所でも、肝炎ウイルスやHIVウイルス等が混じっていないかを再検査した上で、製薬会社で製剤化され、不妊治療薬に使われています。
【南】不妊治療に使われるホルモン剤は、当社が提供している自然由来のもののほか、遺伝子組み換え製剤と輸入製剤があります。国内の自然由来製剤のうち約7、8割を当社の製造原薬が占めており、当社がこの市場の大半を担っています。
【南】菅政権が不妊治療にも保険適用を進める方針を表明し、今後治療を希望される方が増える可能性は考えられます。しかしながらすぐに製造量を大幅に増やすことは、当社の製造能力だけの問題ではなく、自然由来であることや、気候的にも採取が秋口から翌年の初夏までに限られることもあって、簡単ではありません。
【佐藤】人口、原料の管理体制や衛生面などから考えても、中国以外から調達することは今のところ現実的ではありません。欧州の同様の企業でも、中国から原料を調達しています。その一方で、遺伝子組み換えによる製剤への抵抗感は根強いものがあり、価格が高いことからも、自然由来のものがより求められていると考えています。そこで、製薬研究所では新規の製造方法の研究開発を進め、より少ない原料から多くの原薬を製造する製法を追究しています。
【南】不妊に悩まれているご夫婦が増加している中、この分野に携わってきた第一人者として、安定供給を続ける責任を強く感じています。また、当社は他にも競争力の高い製品を扱っており、現在注力している後発医薬品とともに、将来的には、製剤の輸入や受託製造も視野に準備を進めている最中です。ニッチな市場において安全、安心な品質にこだわりながら、新規の取引先を獲得し、持続的な成長を目指していく方針です。
※2020年11月20日発行「綿半レポート(2021年3月期中間)」に掲載
こだわりの真壁工法を実際に活用したサイエンスホーム本社(静岡県浜松市)にて
【加納】木を使った日本古来の家に住むべき―。そんな強い想いをもって、2011年にサイエンスホームを立上げました。日本人は昔から木とともに暮らしてきました。日本最古の木造建築として有名な法隆寺をはじめ歴史的な建造物はいずれも木造で、その技術が高く評価されています。 私は二十代の頃から木の家にこだわり、伝統的な工法「真壁づくり」と最新の加工技術で、高品質かつ低価格な木造住宅を提供しています。 私は商品開発を専門に行い、営業のプロである専務の大石に営業や広報活動を一任しています。
【大石】真壁工法は、家を支える柱がいわば“むき出し”になっている工法です。日本の気候は、夏は湿気が多く冬は乾燥しやすいため、湿気を吸ったり吐き出したりする木は、性質を知り尽くした先人たちによって生み出された日本にとって最適な建材なのです。 そもそも、私たちは有史以前から森の中でずっと木とともに暮らしてきました。無垢の木に囲まれた家に住むということは、家に居ながらにして森林浴のようなリラックス効果が得られると言えます。木のストレスフリー効果の好影響は千葉大学の教授らの研究によって科学的にも証明されています。
【加納】多くのお客さまに私たちの考え方や価格に共感いただき、全国の工務店からも高い評価と称賛をいただいたので、同じ志をもった仲間を集めてフランチャイズ展開を開始しました。創業して8年、現在では全国各地に127の加盟店を有するまでに成長してきました。 加盟店は同じ志を持っている仲間なので、加盟金もロイヤリティもいただいていません。当社が造る木造住宅に本気でほれ込んで加盟してくれる方々が仲間になってくれるからこそ、サイエンスホームが強くなれているのだと思います。 おかげさまで、2014年・2015年に2年連続でグッドデザイン賞を受賞し、2019年8月度のSUUMO注文住宅ハウスメーカー・住宅メーカーのアクセスランキングでは全国6位になるまで高い支持を得ています。
【大石】これまで、高品質な住宅を低価格で提供することに尽力してきましたが、綿半グループの一員に加わったことで、資材の研究・開発や調達コストをより低下させることが期待できます。また、信頼性も向上し、当社が造る木造住宅の知名度も格段と上がるはずです。その結果、理想の家で幸せな家庭を育む人たちが増えることをとても嬉しく思っています。
【加納】木は、自然の素材であり、一本一本性格や性質が違います。それが、家本来の持つ味わいであり、安らぎです。 これからも、住めばすむほど愛着の増す、家族の歴史が刻まれる家を造り上げていきますので、応援いただければ幸いです。
※2019年11月20日発行「綿半レポート(2020年3月期中間)」に掲載